『六月燈の三姉妹』(2014:佐々部清)をシネマート六本木スクリーン2にて見る。1100円、パンフレット800円。
鹿児島市内のさびれた商店街、その一角にある和菓子屋「とら屋」。店主・中薗惠子(市毛良枝)、菓子職人・有馬眞平(西田聖志郎)。この二人は、元夫婦で離婚後も眞平が居候(部屋は別)。長女・中薗静江(吉田羊)は菓子職人と離婚しての出戻り。次女・平川奈美恵(吹石一恵)は夫・平川徹(津田寛治)と離婚調停中。三女・中薗栄(徳永えり)は妻子ある中年男と不倫中。長女と次女の父親は惠子の最初の夫で姉妹が幼い時に離婚、姉は母親と残り、妹は父親とともに東京へ。その後、母親・恵子が眞平と再婚して三女・栄が生まれた、という複雑な家庭。
お互いを思う気持ちは複雑ではあるが、その根っこは温かい。そして「とら屋」を何とかしなければという思いは一致団結している。その家族5人に加えて、次女を追いかけてきた夫も加わり、夏祭り「六月燈」の前後3日間のお菓子作りをメインにした家族のお話である。
この作品で一番期待したのが、長女・吉田羊の活躍。今まで脇の脇でキラリと輝いていたが、今回はメインキャスト。その秘めた本領発揮かと思ったが、今回もメインは知名度のある吹石一恵。そのメインが良ければいいのだが、可もなく不可もなく。役得とは言え、三女の徳永えりがいい。美人三姉妹と言われても、自分は眞平似で姉二人に比べて容貌が劣る。ふて腐れてキャンディーズを歌わないと言いながらも、いざ夏祭りの舞台では真ん中に立って嬉々と表情豊かに歌い上げる。徳永えりの魅力爆発、池脇千鶴の後継者はこれで決まり!
この作品で最大の収穫は、眞平に扮した西田聖志郎。そもそもの企画立案者で、彼がこの作品を作り上げたといってもいいくらい。1955年生まれの舞台を中心に活躍している人で、今回初めてお目にかかったと言ってもいい。ちょっとユーモアもあり、なんとも味のあるいい役者である。今回を契機としてこれから映画出演が増えることを期待したい。
大きな笑い、大きな感動や涙があるわけではないが、鹿児島というよりは日本のどこにでも置き換えることができる地方都市の心温まる家族のお話、そこそこ楽しめて、ちょっと満足。
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