それから、私の木下恵介ベスト5は、
『わが恋せし乙女』('46)、
『お嬢さん乾杯』('49)、
『破れ太鼓』('49)、
『カルメン故郷に帰る』('51)、
『日本の悲劇』('53)。
『お嬢さん乾杯』('49)、
『破れ太鼓』('49)、
『カルメン故郷に帰る』('51)、
『日本の悲劇』('53)。
もう5本になってしまった。
ひとつだけ『女の園』('54)を忘れてはならない。
高峰三枝子、高峰秀子、岸恵子、久我美子の4人が各個人の事情と女子大の民主化をからめながら、延々とディスカッションしまくる作品である。
日本のディスカッション映画の双璧は、この『女の園』と大島渚の『日本の夜と霧』('60)である、と断言してよい。大島は、松竹に入る直前に『女の園』を見て、「ものすごく感動した」と語っているので、『日本の夜と霧』の原形は『女の園』と言ってよいだろう。
木下はその後もう1本、ディスカッション映画を作っている。それは64年の『香華』である。これは母・乙羽信子と娘・岡田茉莉子のすさまじいばかりの愛憎入り交じったののしりあいである。でも見方をかえれば、自分の生き方が正しいと主張するディスカッションと言えるのだ。
高峰三枝子、高峰秀子、岸恵子、久我美子の4人が各個人の事情と女子大の民主化をからめながら、延々とディスカッションしまくる作品である。
日本のディスカッション映画の双璧は、この『女の園』と大島渚の『日本の夜と霧』('60)である、と断言してよい。大島は、松竹に入る直前に『女の園』を見て、「ものすごく感動した」と語っているので、『日本の夜と霧』の原形は『女の園』と言ってよいだろう。
木下はその後もう1本、ディスカッション映画を作っている。それは64年の『香華』である。これは母・乙羽信子と娘・岡田茉莉子のすさまじいばかりの愛憎入り交じったののしりあいである。でも見方をかえれば、自分の生き方が正しいと主張するディスカッションと言えるのだ。
なお、54年のキネ旬のベスト5は、1位『二十四の瞳』(木下恵介)278点、2位『女の園』193点、3位『七人の侍』(黒澤明)182点、4位『黒い潮』(山村聡)179点、5位『近松物語』(溝口健二)176点、であった。
「シネマディクト日曜版1994年7月号」の中で連載「ぴくちゃあVol.11」より
22年前の文章です。読みやすいように、原文に改行したり、一行空けたりしています。
22年前の文章です。読みやすいように、原文に改行したり、一行空けたりしています。