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『太陽の坐る場所』(2014:矢崎仁司)

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 『太陽の坐る場所』(2014:矢崎仁司)を有楽町スバル座にて見る。1100円、パンフレット720円。
 高校時代に女王だった高間響子(水川あさみ)、その取り巻きのひとり・鈴原今日子(木村文乃)。その10年後、立場は逆転。響子は地元・山梨の放送局でお天気お姉さんや夜のラジオのパーソナリティなどをしているアナウンサー。今日子は芸名・キョウコとして東京で人気女優として活躍している。
 この二人の丁々発止のバトルを期待したのだが、意外にも響子の鬱々とした暗いモノローグが中心に進み、そこに高校時代の出来事がカットバックされる。その繊細な心理描写はよく出ていたとは思う。しかし、その鬱々とした劣等感の相手であるキョウコの心理がイマイチ、描きこまれていない。代わりに同じ取り巻きだった水上由希(森カンナ)やその彼女にずっと片想いし続けている島津謙太(三浦貴大)などが登場してきたりして、テーマが拡散してしまった感じがする。
 ここはやはり、水川あさみと木村文乃の虚々実々の駆け引きが見たかった。水上あさみは『バイロケーション』(2014:安里麻里)に次いでの主演にもかかわらず不発に終わり、木村文乃はせっかくの上昇気流から転落しそうである。森カンナが魅力的に見えるようでは、主演の二人は何をやっているんだ、と言いたくもなる。
 『ストロベリーショートケイクス』(2006)の味わいは無理としても、『スイートリトルライズ』(2010)の雰囲気ぐらいを期待したのだが、残念でした。

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